魂萌え!
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魂萌え
桐野夏生 読んだ日20050705→0714


どうとでもなれ。
強風に煽られて吹き飛ぶ木の葉。
吹き飛ばされてどこかへ飛んで行きたかった。
木にしがみつくのは馬鹿げている。


健康な夫が突然死。
59歳で前触れもなく未亡人になってしまった敏子の混乱をどこにでもありそうな内容かもしれないがそれでも飽きさせず、桐野さん独特の力でリアルに描いてある。


大好きな桐野サンの最新刊。
ハードカバー(サイン入りだし♪)が持ち運びに億劫で少し時間がかかってしまった。
一番最初に思ったコトは
「両親に読んでもらいたい」 ←ムリだけど。

この作品はきっと読む年齢層でだいぶ違う感想が出てくるのではないだろうか。

「若い人にはわからない」と謳っているけれど。
24歳の私にはやはり「わからない」だった。
誰でも歳を取るのはわかっている。
わかってはいるけどまだ24年、(しかも前半は記憶がない/笑)

私が言う「わかる」なんて所詮「わかってない」の部類に入るのだと思う。

でも、敏子の気持ちは私の心の中にも自然に流れ込んできた。

前半の相続問題はかなり彰之の行動言動に怒りを覚えて
それになんの抵抗もせず、言われるがままにしようとしている敏子がイヤだった。

私の祖母も夫が他界したとき
長男夫婦に一緒に住もうと言われマンション購入にお金を少し出した。
その後、長男夫婦の子供(孫)が育ち、手狭なマンションから
悪く言うと追い出され、現金もなしで
今は見るのも切なくなる程のボロボロなアパートで一人暮らしをしている。
祖母は、あのまま一人暮らしをしておけば良かったといつも言う。
そんな祖母を思うと自分が何かしてあげなくては、とは思うのだが
いかんせん自分も自分にいっぱいいっぱいな為、その件では
ほんとたまに(東京、名古屋と離れているため)
安い茶菓子を買って肩をたたきに、話をしに行くコトしか出来ない
自分の無力さに情けなくなる。

そんな(よくあるだろうが)コトが身近にあるので
敏子には同じ道には歩んで欲しくなく、和世たちと一緒になって説得した(笑)

私は両親とは円満な関係を結んでいる方だと思うけれど
それでも、成長して、イロイロな事か見えるようになってから
自分の中での圧倒的な存在の「親」と思って来たものが少しずつくずれつつある。

「あれ、こんな人たちだったかな?」
それは親からもそうなんだろう、というコトに気付かされる。


お金が絡むとこうまでも人は汚くなってしまうのだろうか。
「親」と「子」の関係の無常さをひしひし感じた。
自分もこうなることは避けたい。

・・・けど年齢を重ねると自分も変わったりするのかな。
敏子も変わった。
未来なんてきっと誰にもわからないだろう。

男女の情事。
今の私からすると「59歳の女性でもセックスする」なんて
これを読むまで思っても見なかった。
59歳の自分。
その歳でも恋する自分。
到底、想像も出来ない。

昔、20歳になる自分なんて想像できない

なんて思っていたのにあっという間に24で
小学生に「おばさん」なんて言われちゃったりするワケで。

きっとそんなコトを繰り返し思いながらいつの間にか加齢しているのだろう。

「その歳でもそういう行為をする」というコトに対して
「否定」はしないけどただただびっくりで。
きっと生きているかぎり、
歳なんか関係ないんだろうけれど・・・

なんて言いつつ、ここに過剰反応している私は
「わかってるつもりで、やっぱりわかれてない」なのだろう。

この分じゃ自分もあの失礼な銀行員と同じなのかもしれない、
と思うと自分のペラさがどうかと思う・・・。


この頃の自分はイロイロなモノを見る度、
すれていってる気がする。
イロイロな経験をする度、
図太くなっている気がする。
経験することは良いコトなんだとは思うが
それ以上、自分をダメにしてしまっている気がしてならない。
栄子みたいにたくましくなっていっちゃうのだろうか。
伴侶に先立たれた組、健在組、と人間が違う、というトコロが怖かった。
そうなのかもしれない。


あーーーもう何言ってるんだかわからない。(混乱敏子状態/笑)

きっとこの文章は外から見てとても稚拙なんだろうなぁ(でも書くし)

もういいや。

みんな人間味溢れる素敵な人物だったけど
一番、好きなのは昭子だ。


最後の昭子の話はほんと胸が痛くて辛かった。

自分よりわかりやすく素敵な感想を書いている方達にワープ!


日記風雑読書きなぐり  ミチの雑記帳 駄犬堂書店 いつもの空にいつも澄月

自分の文才がないのを・・・「若い」せいにしちゃいけないなぁ。
(ぎゃふん。)


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2005-07-14 17:52 | そらもよう | Comment(4) | Trackback(7)
Comment
こんにちは。
すてきなテンプレート(ブログのデザイン)ですね~。

私はをぢこさんの母親世代だと思いますが、それでもこの「魂萌え!」の世代のことを遠く感じてしまいました。
いずれは皆が向かう道なんですけど、ちょっと目を背けてしまいがちです。
そしてまさにあの世代になったら、もっともっと現実は厳しいと感じると思います。
59歳の性行為・・・私も想像できませんが、お墓に入るまで男は男、女は女と言いますからねぇ。
クワバラクワバラです(笑)
ミチ 2005/07/15(金) 10:38:21) 編集

テンプレートはよそ様から借りたモノです☆
一目ぼれして使用しました!・・・が色が強すぎて写真アップすると写真が負けてしまうコトが難点です(笑)

ミチさんのプログもキレイです!


私からすると歳をとると一筋縄ではいかないんだ、やっぱり。
と漠然としか思えないです、ミチさんの言うとおりもっと現実は厳しいんでしょうね。
野田が落ち込む敏子の悩みを聞いて「気楽な悩みでいいですね」的なコトを言ったけどほんと敏子は恵まれてるほうなんでしょうね。

あ、関係ないけど私も役者のオダギリ好きです(笑)
また、遊びに行かせて頂きます。
をぢこ。 2005/07/15(金) 10:57:39) 編集

私の場合は年齢も生活具合もほとんど同じなので笑って笑って本気で敏子がんばれ!でしたよ。
同じ年代の知り合いたちもこれは傑作だと。
二人の娘がいます。33歳と30歳、結婚せずにアパートで生活していますが、妹の方はまさにフリーターの男と同棲をしています。
同棲を始める直前に彼が私の所へきて
「結婚を前提におつきあいさせてください」といいますから
私は
「給料が娘より多くなるか安定するようになったらその話をしにきなさい」と言いました。
はじめは「よしよし、ではなるべく早く結婚式をして籍を入れなさい」と認めるつもりだったのですが 長女のアドバイスありました。
「籍を入れたり、結婚式をしたりすると、しばりがかかって、本当は別れたいのに別れられず不幸になることになる。彼のすべてをわかった上でそうするならいいけれど、とにかくまだいろいろ試してみることがあるはずだ」
なるほどと思いました。

セックスのお話は「条件次第で可能」と申し上げておきましょう。

ミチさんの場合『OUT」「ダーク」「グロテスク」等との比較感からありきたり過ぎると感じたようでした。
私の経験から60歳前後の現実の夫婦には小説にはない深刻な問題を抱えているはずですね。
小説にはその夫婦の親の問題が欠落しているのです。家内には明日にでも死にそうな両親の介護に一日おきに向こうの家に行っていますし、私もぼけかけの母親を一人暮らしさせています。
敏子が飛躍できるのはこの問題がないからだと思います。
- 2005/07/15(金) 12:46:10) 編集

↑よっちゃんさんのコトバでとても素敵だな、と思ったです。

「これを読んだオジサン族は必ず愛妻家になれるぞ」
これを見たときとても嬉しかったです。
今回の敏子のお話って女の人が共感したり良いと言っているのはよく聞くのですが男の人ってやっぱめんどくさいとか思うのかな(もちろん男性全員がそうなわけではないのですが)これを読んでそう思っている男の方がいるんだ、と思ったのは嬉しかったというか救われた、というか・・・(^^)

今、会社の先輩昼休憩のときに話をしていて
「35歳くらいのおじさんが~」
なんて私が言ってしまったので大変!
皆に35はおじさんじゃない、と怒られてしまいました、確かに。
5年前だったら30代なんておじさんおばさんだ、なんて思ってたのに
30歳がそこまで遠くはなく、あたりまえですが私も着実に加齢しているんですよね。
そんな感じで、59歳、まだまだ先、なんて言ってたらあっという間なんでしょうね。

私も今だにフリーターなので親には悪いと思っておりますが。
以前、私もフリーターの彼氏と同棲していたことがありますが
確かに「結婚」となれば話は別な気がします。
長女さんの言ってることもうなずけますね。

イロイロですね、ほんとに…しみじみ考えさせられてしまいました。


をぢこ。 2005/07/15(金) 14:14:47) 編集

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